保険会社に道義的な救済を求めますか?

3.11の震災では多くの方がその被害に遭われ保険会社各社もその対応に追われる中で、3月15日に生保協会が本来支払わないことになっている保険金の支払いを発表したことは私たち業界の人間以外にはあまり知られていない。

全ての生命保険会社、地震による免責条項等の不適用を決定
平成23年3月15日

今回の東北地方太平洋沖地震により被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
各生命保険会社では、被災されたお客様のご契約については、地震による免責条項等は適用せず、災害関係保険金・給付金の全額をお支払いすることを決定いたしましたのでお知らせいたします。

(※)一般的に、災害関係特約については約款上に、地震等による災害関係保険金・給付金を削減したり支払わない場合がある旨規定されていますが、今回はこれを適用せず災害関係保険金・給付金を全額お支払いすることを全ての生命保険会社から確認しております。

この決断は、保険会社が道義的責任を負う覚悟を、まさに行動で表したもので、支払いの累計は6月10日までの資料で818億8千5百万にのぼり現在も増え続けている。

上記が素晴らしい決断だったことに疑う余地はないが、この「道義的責任」をどこまで保険会社が負うべきなのか、一般企業である以上疑問を感じることもある。

企業の負担しきれない額を超えて無期限に払い続けることは出来ないし、時に行き過ぎた、耳障りの良い言い訳に「道義的責任」が持ち出されている事もあるのだ。

例えば自動車保険の年齢による保険料率は一見公平のようだが、実際にはそうとも言えない。

具体的には免許取得後間もない若いドライバーや高齢ドライバーの保険料をその事故率から適正に計算すると高くなりすぎるので、事故の少ない中年層の保険料から補填して格差を縮小くしている。
まるで公的年金である。

この説明を「保険料が高過ぎると無保険自動車が増える」「無保険自動車が増えると被害者が救済できない」、最後には「保険には道義的責任がある」とするのだが、つまり適正なリスクの引き受けという面では完全に矛盾している事は百も承知というわけだ。

しかし、こんな社会秩序の安定化というような大それた責任を、国民は保険会社に求めてはいるのだろうか?

求めているのは・・・・本来責任を果たすべき国なのだろうな。

 

震災から半年の支払い状況

震災から約半年が経過し、損害保険は概ねの支払いや調査が終わりつつあります。

8月末までの支払い完了割合は97%で損害保険各社総額で1兆1,343億円、その中で群馬県は64億円の支払いでした。

阪神淡路大震災の総額が783億円だったことから比べると被害の大きさが桁違いだったことが伺えますし、群馬県の被害も今回は随分大きかったのだと実感するデータでした。

そう言えば震災前32%だった地震保険付帯率も毎月伸びているようです。

もし、地震保険に未加入でしたら余震が無くなるまで1,2年だけでも付保されることをお薦めいたします。

保険料は木造住宅の場合1,000万円当たり大体9,000円/年間くらいです。

正しい保険料のお見積もりは代理店へお問い合せ下さい。

(*地震保険は火災保険の加入とセットでないと付補できません。)

 

 

ニュージーランド地震被害者に海外旅行保険は支払われるのか?

先日ニュージーランドで発生した地震に関しましては、未だ行方不明の方や死傷者の出ている大惨事となっており他人事とは思えません。

学生時代に阪神淡路震災を大阪の学生寮で経験した私ですが、当時は自分の事よりももっと被害の大きな神戸の状況が気がかりで、

群馬から両親が何度も電話をしていることにも気が付かず随分心配を掛けてしまったことを思い出します。

だからこそ、今もどこかで、行方不明者の何人かは元気でいると信じたい気持ちで一杯です。

今回のように旅行先で大地震にあったらとても不安ですし、ご家族はすぐにでも助けに行きたいですよね。

しかし、実際のところ自然災害は海外旅行保険支払いの対象になるのでしょうか?

次の一覧は東京海上日動の場合です。

保険金の種類 お支払の可否
傷害死亡保険金 保険金のお支払対象になります。
傷害後遺障害保険金 同上
傷害治療費用保険金、救援者費用等保険金 同上
賠償責任保険金 同上
携行品損害保険金 同上
旅行変更費用保険金 同上
偶然事故対応費用保険金 保険金のお支払対象になりません。
航空機寄託手荷物遅延等費用保険金 保険金のお支払対象になりません。
航空機遅延費用等保険金 保険金のお支払対象になりません。

 

おおむね支払いの対象であるものの、費用保険の一部が支払いの対象外であることがわかります。

航空機に関することは、いたしかたないと思いますが、偶然事故対応費用は保険金額も最高で5万円と少額の補償なので、次回改訂時には何とか対応して貰いたい補償です。

この偶然事故対応費用特約って、一般の方には始めて聞く言葉だと思いますが、実に使える特約で、

例えば、、

  • 緊急の宿泊費用
  • 身の回り品の購入費(着替えや洗面具など)
  • 交通費
  • 食事代
  • 渡航手続費用

など、大きな出費ではないけれど、保険で補填されたら嬉しいものばかりがセットになった特約なのです。

詳細はこちらをどうぞ→海外旅行保険パンフレット

それから、次の事由に該当された場合には保険終期から72時間を限度として保険が延長されます。

  • 被保険者が乗客として搭乗予定の航空機等が今回の地震により遅延または欠航・運休した場合
  • 医師の治療を受けた場合
  • 同行の家族または同行予約者が入院した場合

つまり、地震で帰国が遅れ、予定日に飛行機が飛ばなかった場合。

ホテル代などの諸費用は出ませんが、契約時の保険期間が過ぎてから3日以内に具合が悪くなった時の治療費はお支払いできる訳です。(*この延長制度は地震に限らず、通常の病気や怪我、台風などにも適用されます。)

最後に、今回の事故によりお亡くなりになった方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。