富岡市の議会基本条例を読み解く!


富岡市議会が1年がかりで取り組んできた議会改革ですが、ようやく平成25年3月21日議会定例会本会議において「富岡市議会基本条例」が制定されました。

イメージとしては平成22年に一般市民から出された「政治倫理条例案」を基に当時反対した市議会議員達の意見も加えて造り上げたものという認識でしたが、情報公開されている資料を読むと必ずしもそればかりではなく、議会を中心としたまさしく「議会基本条例」に仕上がっていました。

中身はそれほど難しくありません、なかなか面白い内容なので解説してみたいと思います。

→議会基本条例(本文はこちら)

 

まずは第1条でこの条例が市議会議員の最高規範であると宣言

2条からは4条は議会の役割とあり方について、「議員を監視評価しなければならない」「積極的な情報公開」「機能強化」「自由な議論討論の推進」と行った具合

 議員についての規定は第5条から書かれています。

 

その5条はまあ当たり前の「議員は市民に選ばれているんだからちゃんとしましょうね」的なこと

6条はハードルが上がって、完璧にこなすのはかなり大変なことが書かれています。

 第6条 議員は、市政の課題全般について、市民の意見、要望等を的確に把握するとともに、自らの資質向上に努めるものとする。

市民からすれば当たり前ですが、担当以外の事柄にも関心を持ち、問題点や結果を知っておかなくてはなりません。

7条は会派について

 

8条と10条は市民と議会の関係について書かれていて、とても重要な事柄が記載されています。

第8条
議会は、市民に対し積極的にその有する情報を発信し、説明責任を果たさなければならない。
2 議会は、本会議のほか、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「本会議等」という。)を原則公開とするものとする。
3 議会は、公聴会制度及び参考人制度を十分に活用し、市民の専門的又は政策的識見を議会の討議に反映させるものとする。
4 議会は、請願及び陳情を市民提案と受け止め、その請願及び陳情に係る審議においては、参考人の意見を聴く機会を設けることができる。

 

第 10 条

議会は、市民に対する説明責任を果たし、及び市民の多様な意見を把握し、並びに市政全般の課題に柔軟に対処するため、議員及び市民が自由に情報及び意見を交換する議会報告会を行うものとする。

 

基本条例の肝は10条でした!

これってもの凄く大変な話しで、よくこの一文を入れたなぁと感心してしまいました。

皆さんも想像してみて下さい。

通常この手の広報活動は市の担当部が行い、議員は順番に短い原稿を寄稿するだけ。私達市民はそれを議会だよりなどで一方的に読むだけでで議論や討論はできません。

それを議会が(つまり議員自ら)が議会報告会を行い、市民と自由な意見交換をする。と書いてあるのです。

ともすれば敵対する傍聴者から質問が飛び交う訳ですし、知らなかった話しやスキャンダルなども飛び出しかねない難しい場です。

それでも先述した条文にあるように、「市議会議員は市内の問題を知っていて当然」と見られますし「説明責任」を果たさなくてはなりません。

うまく運営できるのか他人事ながら心配になってしまいます。(でも見に行きたいなぁ。)

 

11条からはチョット退屈、議会と市長の関係について、議会のルール、議員間の討論、等が記載されています。

14条には「政治活動費」というキャッチな文言があり、「使途を公開しなければならない」と書かれていますが、金額について具合的に記載がないので1円から公開するのか、1万円以上なのか、領収書が必要なのかなど具体的には分かりません。

15条は書かなくても良いようなこと(他の条文とチョットかぶる、当たり前のこと)

16条は議員定数についてなので興味有る人も多いでしょうが、具体的な記述無し

17条は議員報酬について、上と同じで具体性無し

 

18条は第5条とかぶっているけれど、チョット気になることが!

第18条 2.議員は、市民の代表者として、その品位及び名誉を損なうような一切の行為を慎み、市民の疑惑を招くことのないよう行動しなければならない。

これは解釈が難しいですね。

法律で許されている飲酒なんかも「損なうような一切の行為を慎み」なんて言われると参加できない酒席が出てきそうです。

例えばスナックはOKだけどキャバクラはどうなの?とか、流石に性風俗店はNGだよななんていう感覚は議員さん任せなんでしょうか?主観が市民なら相当ハードルが高いと思います。主観が議員本人なら最後は「日本国憲法で認められている個人の権利だ」なんて言い出しかねません。この辺が微妙です。

じつは私、過去何度も品位及び名誉を損なう(と私が感じる)行為を楽しむ市議会議員を目撃しているですが、そんな市民からの苦情や意見をどう捉えるでしょう??

 

19条以降は一般市民にはあまり関係ありません。

 

さて、長くなりましたが、こうして読み解くとやはり最大ポイントは議会報告会であり「透明性」「説明責任」「市民の声」がキーワードになっているように感じます。

市議会議員の皆さん、これからも富岡市のためにお願いしますね!!

 

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タイムリーなことに6月5日にこの議会基本条例の内容に沿った市政報告会を長沼けさお市議が行います。

長沼市議は先の倫理条例を請求した代表者の一人で、一般には知られていないここまでの経緯や私の気が付かなかった重要ポイントなどが聞けそうです。

場所は富岡市生涯学習センター 時間は午後6:30から

私もお手伝いに行くことになりましたので、興味のある方は是非。

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