先日読んだ本が凄く良かったのでオススメ致します。
奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち 伊藤 氏貴 (著)
公立校の滑り止めだった灘校を一躍東大合格日本一へと導いた奇跡の授業はたった1冊の本『銀の匙』を3年間かけて読むというスローリーディング授業だった。
という驚くべき事実を先生本人や教え子達(県知事や東大総長・東大副総長・最高裁事務総長・弁護士会事務総長などなど各会のトップがズラリ)への1年がかりの取材を通して解説していく1冊なのですが、単にドキュメンタリーや取材記事の羅列ではなく、この本自体も1つの読み物として小説を読んでいるような面白さとリズムがあり引き込まれました。
灘校といえば今では超有名進学校ですが、中高一貫で1教科1担任(つまり一人の先生が6年間教える)というとても珍しい指導を行っているってご存じでしたでしょうか?
そのため卒業年によって卒業生の気質か異なり『今年の卒業生は6年前の卒業生に似ている』という面白い現象が起こるのだそうです。
ちなみにこの変わった授業を行った橋本武(通称エチ先生)の教え子の学年は『ロマンチスト』。
『銀の匙の子』と呼ばれる彼らと、そのテキストとなった『銀の匙』の世界観が卒業後数十年たった今でも、これほど一致しているのが驚きでなりません。
私なんて学生時代教科書に載っていた話しで印象に残っているのは『スイミー』と『走れメロス』くらいです。しかもよく憶えていないし。。
子供の感性を伸ばす極意、子供に教えたい発見、好奇心、忍耐、我慢など多くのことが学べる良書ですので、銀の匙と合わせてぜひお読み下さい。
銀の匙 (岩波文庫) 中勘助(著)
漱石が稀代の傑作と絶讃した少年期の自伝小説
子供の純粋な感性とほのぼのとした温かみに満ち溢れています。
本来の順番は銀の匙→奇跡の教室なのだと思いますが、私は奇跡の教室を先に読んでからの方が銀の匙も楽しめると感じました。